最後の言葉に、アイリスはハッとしたように目を見開いた。

「さあ、この話はおしまいにしましょう」

 リーゼロッテはパチンと一度手を叩くと、にこりと微笑む。

「え? よろしいのですか? 私、失態をしたのに──」

 アイリスは戸惑うようにリーゼロッテを見つめる。

「だって、わざと蛇を置いたわけではないのでしょう? きっととっても素敵なお部屋だから、蛇も入りたくなってしまったのね」

 リーゼロッテは朗らかに笑う。
 蛇は護衛の騎士が退治してくれたし、それほど大事にすることでもない。