リーゼロッテもテオドールの視線の先を追う。そこには、ヒッポグリフに乗り逃げようとするイラリアとアドルフがいた。
背後からドラゴンが近づき、彼らの乗るヒッポグリフに噛り付く。
「危ない!」
乗っていたふたりが真っ逆さまに地面に落ちてゆくのが見えた。
「落ちたわ!」
リーゼロッテは思わず口を覆う。ドラゴンが首を振り、無残に体を引きちぎられたヒッポグリフの破片が散らばる。
「お助けしないと……」
「無理だ。今近づけは、我々の命もない」
眉根を寄せて厳しい表情をしたテオドールは、首を横に振った。
いつの間にか、周囲には幻獣騎士が集まり始めていた。
アイリスが知らせてくれたおかげで集まった幻獣騎士に加え、テオドールと共に東部に行っていた幻獣騎士達も戻ってきたのだ。
ドラゴンが旋回しながら町まで近づき、ぶつかった建物の一部が崩れる。「わー」「きゃー」という悲鳴が聞こえてきた。
「町に被害が出ないように、全員配置につけ!」
テオドールが大きな声で叫ぶと、幻獣騎士達は一斉に陣を組んだ。
「リーゼロッテ。危ないからここで待っていろ」
「旦那様は?」
「俺は戻る」



