バレンタインと恋の魔法

それなら遠慮なく頂くしかない。


何よりも私はスイーツが大好きだから。


元々お菓子作りが趣味な翠に作ったものをもらっているうちに好きになったのだけど、今では休日にスイーツ巡りをするのが私のお気に入りだ。


それほどスイーツを愛している私にとって、この先輩のチョイスはなかなかにセンスがいい。



「私、スイーツは大好きなんですよ。だからいっぱい食べちゃいますね!」


「…ああ」



大皿二つに色々な種類のケーキやプリン、ゼリーなどを載せて席に戻ると、先輩は軽く驚いていた。


それから時間いっぱいケーキを食べ尽くし、お店を出た頃に私はハッと我に返る。



「もしかして、ちゃんと味の感想とかメモした方がよかったですか?来た意味ないですよね」



先輩は甘いものが苦手なのかケーキを二個食べただけでダウンして、パスタを食べていた。


たくさん食べた私が資料としてしっかり残しておくべきだったのでは…?



「いや、それは大丈夫。…楽しかったか?」


「え?あ、はい。すごく幸せでした」



スイーツバイキングなんて最近行けていなかったから、お腹いっぱいになるまで食べたのは久しぶりだった。



私の言葉を聞いた先輩は、出会ってから初めて優しく笑った。


その笑顔に思わず立ち止まって凝視してしまう。