バレンタインと恋の魔法

半分にわけたノートを、グループにわかれてお昼ご飯を食べているクラスメイトに配っていく。



「はい、ノート」


「あ、ああ、ありがと…」



私を見たクラスメイトがぱっと視線を逸らしておずおずとノートを受け取った。


それはどの人もみんな同じ反応だった。



なんかあからさまに私を避けている、というか…怖がられているみたいな…。



「杏ちゃん?どうかした?」


「…え?」



いつの間にかノートを配り終わり立ち尽くしている私に、翠が不思議そうに顔を覗き込んできた。



「あ、ううん。なんでもないよ。お昼ご飯食べちゃお」



先に戻り食べかけのハンバーグに箸を伸ばしたところで、机の上に置いていたスマホにメッセージが届いた。


それは天馬先輩からだった。



『今日の放課後、ちょっと付き合って』



なんだろうと思いながらも、OKとスタンプを返す。



「…杏ちゃん、顔がニヤニヤしてる」