「な…っ、で、でも、流くんは私のこと妹としてしか見てないんじゃないの…?」


「最初は、ね。だけどどんどん成長するにつれて綺麗になっていく咲良に、異性として意識するようになったんだ。でも咲良はまだ高校生になったばかりだし、この先俺なんかよりも全然いい男と出会うかもしれない。歳が近いやつの方が何かと気が合うかもしれないでしょ。そんな咲良の選択肢を潰しちゃう気がして、言えなかった」


「…歳なんて、関係ないよ。そりゃ私だって十年早く生まれてたらなって何度も思うよ。でも、何年経っても私はずっと流くんしか好きになれない。変わらないんだよ。私は流くんが大好きなの」



流くんは愛おしいものを見るかのように目を細めると、優しく微笑んだ。



「俺もだよ。この先ずっといたいと思うのは、咲良だけ」



長い幼なじみの時を経て、やっと今、私たちの関係が変わった。


そして、私たちの過ごす時間はこれからもずっと続いていく。





バウムクーヘンのお菓子言葉…長い年月を共に過ごしていく