バレンタインと恋の魔法

「じゃあ明日学校が終わったらすぐ帰るから、家で待ってて。渡したいものがあるんだ」



流くんは明日にはもう帰ってしまうから、バレンタインチョコを一日前だけど渡すつもりでいる。


毎年義理チョコとしてあげていたけど、今年は本命であげようと思っていた。そう、思っていた。


…だけど、妹としか思われていないことを再実感してしまい、今更ながら悩んでいる。



「綺麗だね、イルミネーションが上からだと見やすいや」



窓の外を眺めていた流くんの横顔に思わず見惚れる。



…やっぱりこの人を独り占めしたい。


歳の差がなんだ。私の好きな気持ちは誰にも負けていない。


誰かのものになるくらいなら、ちゃんと気持ちを伝えて後悔なく終わらせたい。



たとえ、もう仲のいい幼なじみじゃいられなくなっても。





「…って言っても、何あげよう…」



流くんとわかれてからお風呂に入っている間も歯磨きをしている間もずっと考えていたけど、結局何をあげたらいいのか思い浮かばない。


チョコが一番無難だけど、明日はいつもと違う意味であげるわけだし、なんかこう特別感がほしい。



「クッキー…はたしか、バレンタインにあげちゃいけないんだっけ?」