「小笠原さん。私はね、あなたが羨ましかったよ。どんなに仕事がハードな時も、自分を見せることを怠らない。ネイルだって、スキンケアだって、手を抜いたことないでしょう。私はそういうの、すぐ雑にしちゃうから……凄いなぁって見てたよ」
香澄の片眉がぴくッと持ち上がる。
彼女はいつでも、輪の中心にいないと気が済まないタイプだ。可愛いね、とチヤホヤされていたいし、仕事もできて凄いね、と認められたい。そういう子だ。外見のタイプは全く違う二人。彼女が樹里を目の敵にする理由は、正直分からない。部署もまったく違ったし、そうそう絡むことすらなかった。それでも、樹里の方が認められているとでも感じていたのだろうか。あぁでも、もっと違う何かがあったような気もする。思い出せない。
「小笠原さんは、私にないものをちゃんと持ってる。そんなに敵対心を持たなくたっていいのに……ねぇ、どうして仲良くなれなかったんだろう。私たち」
香澄はハッと目を見開き、樹里を見る。茶化しているわけではない。真面目にそう言った樹里の顔をじっと見るのだ。そして一時を置いて、腹を抱えて笑い出した。何が可笑しかったんだろう。樹里は腑に落ちなかったが、香澄が僅かに表情を崩す。仲良くなれなかったんだろうかぁ、と呟いて。
「そんなこと、考えたことなかったわ。だって、全てにおいて、女はみんな敵じゃない」
香澄はどこか必死だった。自分の信念と違う考えに、動揺しているようにも見える。きっと彼女には、こうして言ってくれる人がいなかったのかもしれない。
香澄の片眉がぴくッと持ち上がる。
彼女はいつでも、輪の中心にいないと気が済まないタイプだ。可愛いね、とチヤホヤされていたいし、仕事もできて凄いね、と認められたい。そういう子だ。外見のタイプは全く違う二人。彼女が樹里を目の敵にする理由は、正直分からない。部署もまったく違ったし、そうそう絡むことすらなかった。それでも、樹里の方が認められているとでも感じていたのだろうか。あぁでも、もっと違う何かがあったような気もする。思い出せない。
「小笠原さんは、私にないものをちゃんと持ってる。そんなに敵対心を持たなくたっていいのに……ねぇ、どうして仲良くなれなかったんだろう。私たち」
香澄はハッと目を見開き、樹里を見る。茶化しているわけではない。真面目にそう言った樹里の顔をじっと見るのだ。そして一時を置いて、腹を抱えて笑い出した。何が可笑しかったんだろう。樹里は腑に落ちなかったが、香澄が僅かに表情を崩す。仲良くなれなかったんだろうかぁ、と呟いて。
「そんなこと、考えたことなかったわ。だって、全てにおいて、女はみんな敵じゃない」
香澄はどこか必死だった。自分の信念と違う考えに、動揺しているようにも見える。きっと彼女には、こうして言ってくれる人がいなかったのかもしれない。

