数日後、シャルル・サガンが退院する。いつものように朝、母原宿さくらの声で起きるみな。原宿みなは、いつものように登校する。茶色い髪、耳の上ツインテール。ハイカット黒い靴下、ローファー。スクールバッグを持っている。バッグにはリボン。贈答学園高校正門をくぐるみな。そこでサガンに声を掛けられる。笑顔を返すみな。サガンと話すみな。しかしまわりの様子がおかしかった。「不良」「あんな不良がいる」「性格悪い奴が描くもんじゃないよねえ」「お前みたいのが書くもんじゃない」「性格最悪」「顔で書くもんなんんだな」「俺らは漫画描いているやつを差別しているんだ」。それはサガンに対するやじであった。呆然と立ち尽くすみな。これって少女漫画じゃなくてバイオレンス映画じゃん、と思うみな。落ち込んでいるサガン。サガンをなんとか励まそうとするみなだった。「みんなひどいね」「不良っていうほうが柄悪いよね」「性格最悪とか何語かわからないよ。英語?」「顔で描くとか何言ってるの?」「性格悪い奴が描くもんじゃないってことは、漫画描いてるシャルル君は性格いいってことじゃないかなあ」そこへ赤い髪の女子生徒、椎名マリアが来るのだった。「よお」とサガンの背中を押すマリア。思わずよろけるサガン。サガンは倒れてしまう。助け起こすみな。「大丈夫シャルル君」「ありがとうブラザー」笑っているマリア。「危ないよ」と注意するみな。「マドモワゼルマリア」とサガン。マドモワゼルってやっぱり女子のことなんだ。ブラザーって、やはり男扱いされていると思うみな。「ちょっと乱暴じゃないですか」とマリアにいうみな。「は」と笑うマリア。マリアは去っていく。「あれ誰?」ときくみな。「友達のマリア」とサガン。「乱暴な人だ。言った方がいいよ」とみな。「うん」と、サガン。「ブラザー、握手していいかなあ?」とサガン。「え」ととまどうみな。「だめかなあ」とサガン。「いいよ」となんとなくのりで答えてしまうみなだった。サガンは右手を差し出す。右手を差し出すみな。サガンと握手するみなだった。手を放す二人。そのとき淡い茶髪にポニーテールの橋本ゆながあらわれる。「はあい。皆さん注目う」というゆな。ゆなは学園のアイドルだった。



