「カナちゃん、ここどうしよっか」
「そうだねぇ。二階が生活フロアでいいと思う。階段下に収納って付けられるかしら」
新年も明け、一息ついた私たちは、アトリエのリノベーションプランを練っている。すぐにでも引っ越そうと思ったが、アトリエと宏海が休む程度でしかないあの家。二人で暮らすには、手を加える必要があった。家をリノベーションして、庭も整える。今はそのプランを、食事を取りながら話すのが日課だ。
あれからすぐ、私たちは入籍をした。互いの両親に話をして、それからあれをして、これをして。私は順繰りに色々考えていたのだけれど。元日に入籍をすると決めた宏海は、サクッと動くと迷いがなかった。何で正月に、と思いもしけれど、一月一日は皆が目出度いってお祝いしてる日だから、って。そう言われたら仕方ない。年末はバタバタと動き回り、てんてこ舞い。どちらの家からも、反対が上がらなかったのは幸いだった。
「宏海、寝室ってどうする?」
「一応、今と同じように生活できるようにはしたいけど、ちょっと狭くなるんだよねぇ」
「そっか。でも、いいよ。そのうち、ほら……一緒に寝るかも知れないじゃん?」
サラリとそんなことを言って、慌てふためく宏海を見て楽しんでいる。本当に結婚したんだな、って実感したい。そんな感情が自分にまだあったことには驚きだが、毎日笑って、幸せに暮らせている。
あまりにスピーディで、簡単に今日という日に辿り着いたようではあるが、私には一大事の出来事だった。彼の両親に離婚歴があることを話さなければならなかったから。詳細を言う必要はないよ、と宏海は言ってくれたけれど、聞かれたら誠実に向き合うつもりでいたから尚更だった。
「そうだねぇ。二階が生活フロアでいいと思う。階段下に収納って付けられるかしら」
新年も明け、一息ついた私たちは、アトリエのリノベーションプランを練っている。すぐにでも引っ越そうと思ったが、アトリエと宏海が休む程度でしかないあの家。二人で暮らすには、手を加える必要があった。家をリノベーションして、庭も整える。今はそのプランを、食事を取りながら話すのが日課だ。
あれからすぐ、私たちは入籍をした。互いの両親に話をして、それからあれをして、これをして。私は順繰りに色々考えていたのだけれど。元日に入籍をすると決めた宏海は、サクッと動くと迷いがなかった。何で正月に、と思いもしけれど、一月一日は皆が目出度いってお祝いしてる日だから、って。そう言われたら仕方ない。年末はバタバタと動き回り、てんてこ舞い。どちらの家からも、反対が上がらなかったのは幸いだった。
「宏海、寝室ってどうする?」
「一応、今と同じように生活できるようにはしたいけど、ちょっと狭くなるんだよねぇ」
「そっか。でも、いいよ。そのうち、ほら……一緒に寝るかも知れないじゃん?」
サラリとそんなことを言って、慌てふためく宏海を見て楽しんでいる。本当に結婚したんだな、って実感したい。そんな感情が自分にまだあったことには驚きだが、毎日笑って、幸せに暮らせている。
あまりにスピーディで、簡単に今日という日に辿り着いたようではあるが、私には一大事の出来事だった。彼の両親に離婚歴があることを話さなければならなかったから。詳細を言う必要はないよ、と宏海は言ってくれたけれど、聞かれたら誠実に向き合うつもりでいたから尚更だった。

