「それからは、連絡も毎日したし、会ったりもしました。子供の頃、憧れていたんですよね。今日は学校でこんなことを習った、なんて同級生がママに話すのに。僕は、それが出来なかったから。大人になって初めてそれをして、今日も母がいる、なんて実感したりして。僕は、満たされたんですけど……その裏で中川さんが不安に思っていて」
「あ……そういう話」
「宏海。本当にごめんね。正直に話せなかったから、誤解を与えてしまって。匡もごめんね。色々迷惑かけました」
「いや、俺はいいんだけど」
まぁくんの視線がこちらを向く。そして珍しく、彼が優しく僕の背を擦る。ここから先は、自分の気持ちをきちんと伝えなきゃ。きっと、そういうことだ。
「宏海、あのね」
「うん」
「確認がしたいんだけれど」
そう言ったカナちゃんが、次を言い淀む。母さん、と佐々木くんが呼びかけるとビクッとしちゃうけど、これが現実。彼に頷き、カナちゃんはゆっくりと口を開く。
「昨日……言ってくれたことは、まだ有効ですか」
「あ……そういう話」
「宏海。本当にごめんね。正直に話せなかったから、誤解を与えてしまって。匡もごめんね。色々迷惑かけました」
「いや、俺はいいんだけど」
まぁくんの視線がこちらを向く。そして珍しく、彼が優しく僕の背を擦る。ここから先は、自分の気持ちをきちんと伝えなきゃ。きっと、そういうことだ。
「宏海、あのね」
「うん」
「確認がしたいんだけれど」
そう言ったカナちゃんが、次を言い淀む。母さん、と佐々木くんが呼びかけるとビクッとしちゃうけど、これが現実。彼に頷き、カナちゃんはゆっくりと口を開く。
「昨日……言ってくれたことは、まだ有効ですか」

