ベッドに入って、ふふふぅん、と鼻歌が自然と出て笑ってしまった。自分でも気持ち悪いなとは思うが、まぁ誰も見ていない。気にしないことにした。今朝、起きた時はあんなに憂鬱だったのに。その感情はもうない。佐々木くんに指摘されて、ハッとした。親に作ろうとしていたなんて、考えもしなかったから。ちょっと怖かったけれど、ちゃんとカナちゃんに確認したんだ。これって誰かに作るの、と。
『え? 両親に、だよ。今のうちにしてあげられることとか、話してたでしょう? それで思いついたんだよねぇ。って、言わなかったっけ? ごめんね』
だって。あまりにあっけらかんと言うから、可笑しくて、ニヤニヤしちゃった。変に思われなかったか心配だけれど、そのくらい安堵が大きかったのだ。今までの悶々としていたものって、本当に何だったんだろう。初めから、ちゃんと聞けばよかった。弱気な自分に苦笑してしまうが、まぁそれも仕方がない。そんな些細なことが聞けないほどに、僕は彼女が好きなのだ。
それにしても、佐々木くんがその可能性に気付いてくれて良かった。カナちゃんが、あんなに嫌いな料理を練習したいと言う。急激な変化。最近の様子からして、夜に連絡を取っている相手に作るとしか思えなかった。それ以外、僕には思い当たるものがなかったんだ。佐々木くんに言われて、スッと腑に落ちて笑ってしまった。帰り道、まぁくんにも電話して。その発想はなかったな、なんて笑い合って。ふふふ。今夜はよく眠れそうだ。
「あとは、仕上げて、ラッピングするだけだな」
目の前が晴れると、大切な事柄だけがくっきりと見えた。腕時計はもう少し。皮革の艶も良くなったし、あとはほぼラッピングだけだ。
大切な思い出になればいいな、って考えながら色々と試した。華やかにしたり、シックにしたり。だけれども、どれもしっくり来なくて。シンプルに包むことに決めた。この間コラボした木工作家さんに、箱を作ってもらって。ついでに、薄いカンナ削りのタグも買った。そこに、何か一言書くつもりだ。『 I love you 』じゃ芸が無いし、ストレート過ぎる。もう少し、柔らか印象の言葉を探しているところだ。今読んだ本の中にも転がっていないような、僕らしい言葉を。
『え? 両親に、だよ。今のうちにしてあげられることとか、話してたでしょう? それで思いついたんだよねぇ。って、言わなかったっけ? ごめんね』
だって。あまりにあっけらかんと言うから、可笑しくて、ニヤニヤしちゃった。変に思われなかったか心配だけれど、そのくらい安堵が大きかったのだ。今までの悶々としていたものって、本当に何だったんだろう。初めから、ちゃんと聞けばよかった。弱気な自分に苦笑してしまうが、まぁそれも仕方がない。そんな些細なことが聞けないほどに、僕は彼女が好きなのだ。
それにしても、佐々木くんがその可能性に気付いてくれて良かった。カナちゃんが、あんなに嫌いな料理を練習したいと言う。急激な変化。最近の様子からして、夜に連絡を取っている相手に作るとしか思えなかった。それ以外、僕には思い当たるものがなかったんだ。佐々木くんに言われて、スッと腑に落ちて笑ってしまった。帰り道、まぁくんにも電話して。その発想はなかったな、なんて笑い合って。ふふふ。今夜はよく眠れそうだ。
「あとは、仕上げて、ラッピングするだけだな」
目の前が晴れると、大切な事柄だけがくっきりと見えた。腕時計はもう少し。皮革の艶も良くなったし、あとはほぼラッピングだけだ。
大切な思い出になればいいな、って考えながら色々と試した。華やかにしたり、シックにしたり。だけれども、どれもしっくり来なくて。シンプルに包むことに決めた。この間コラボした木工作家さんに、箱を作ってもらって。ついでに、薄いカンナ削りのタグも買った。そこに、何か一言書くつもりだ。『 I love you 』じゃ芸が無いし、ストレート過ぎる。もう少し、柔らか印象の言葉を探しているところだ。今読んだ本の中にも転がっていないような、僕らしい言葉を。

