自分の気持ちを、初めて匡に言った。我に返れば、流石に恥ずかしかったけれど。茶化すことなく送り出してくれた匡。「よく分かんねぇけど、それがクリアになったらちゃんとするんだぞ」だって。兄貴みたいな面しやがって。そうムカつきはしたが、正直ホッとしている。アイツには結局、一番聞いて欲しかったから。
夕食を食べ終えて、二人で茶を啜っている。長閑なものだな。こんな老後を、つい想像する。この僅かに温かくなった感情を打ち明けたなら、淡く弾けて消えるだろうに。それでも、想像せずにはいられない。彼となら、絶対にそんな穏やかな生活を過ごしていけるはずだから。
「おばちゃん、元気で良かったね。本当に」
「そうね。でも、おじちゃんが心配性になっちゃって。大変みたいよ? 何するにしても、危ないから座ってろって。何もさせてもらえないって、ブゥたれてた」
「へぇ。そんな二人見たことないな」
「ね。私も初めて見たよ。でもさぁ。おばちゃん、何だかんだ言って嬉しそうだった」
自分の父親もそうだが、おじちゃんも本心を言うのが得意でない。言えたとしても、ぶっきらぼうなのだ。そうして結局、喧嘩になるのはよくあること。一連の流れ、みたいなものだろう。そんなおじちゃんも、心配して、必死だったのだと思う。おばちゃんが転んだだけだったとしても、うずくまる姿を目の当たりにしたのだろうし。だからもう、恥ずかしさだとか、そういう全てを吹っ切った様子だった。匡は呆れていたけれど。私は、すごく羨ましかった。ちゃんと愛する人と結婚し、添い遂げている二人が。
夕食を食べ終えて、二人で茶を啜っている。長閑なものだな。こんな老後を、つい想像する。この僅かに温かくなった感情を打ち明けたなら、淡く弾けて消えるだろうに。それでも、想像せずにはいられない。彼となら、絶対にそんな穏やかな生活を過ごしていけるはずだから。
「おばちゃん、元気で良かったね。本当に」
「そうね。でも、おじちゃんが心配性になっちゃって。大変みたいよ? 何するにしても、危ないから座ってろって。何もさせてもらえないって、ブゥたれてた」
「へぇ。そんな二人見たことないな」
「ね。私も初めて見たよ。でもさぁ。おばちゃん、何だかんだ言って嬉しそうだった」
自分の父親もそうだが、おじちゃんも本心を言うのが得意でない。言えたとしても、ぶっきらぼうなのだ。そうして結局、喧嘩になるのはよくあること。一連の流れ、みたいなものだろう。そんなおじちゃんも、心配して、必死だったのだと思う。おばちゃんが転んだだけだったとしても、うずくまる姿を目の当たりにしたのだろうし。だからもう、恥ずかしさだとか、そういう全てを吹っ切った様子だった。匡は呆れていたけれど。私は、すごく羨ましかった。ちゃんと愛する人と結婚し、添い遂げている二人が。

