だって、そう決めたのは私

「まぁくんに、ちゃんとお礼するんだよって言っておいたけど、したかなぁ」
「お礼? あ、隣の子にってこと?」
「そう。ブンタが一晩もお世話になったわけだし、カレーでも何でもいいから、ご飯作ったりしてさ。ありがとうって形にした方がいいよってメッセージ送ったの」
「うんうん、そうよね。で、匡は?」
「まだ返ってきてない。おばちゃんのことでバタバタしてるのかもしれない知れないし、あまり強くも言えなくてね」
「そう……よねぇ。でも、匡だから。その辺はちゃんとやってるわよ」
「まぁ、そうかな」

 ムッとした僕に、カナちゃんは気付いていない。まぁくんのことならば、何でも分かるの? 彼らは三十年来の友人だけれど……やっぱり面白くはない。

「匡って、結局好きなのよね?」
「隣の部屋の女の子っってこと?」
「そう。これでさ、ちょっと近づいちゃったりしして。そうしたら私たち、とてもいいことしたわよね」
「あぁそうだね。まぁくんが認めるかは別として」

 僕たち、キューピットになるのか。まぁくん、きっと嫌がるだろうな。だから、絶対に認めない。少なからず、僕の前では。

「うぅん……宏海がね、どう思ってるのか分からないけれど。好きなら好きでいいんじゃないかって思うの。自分に嘘吐くのだけは止めろって、この間言っておいた。私たちに話す必要はないから、ただ自分にだけは素直で居なさいって。流石に少しは響いたと思ってるんだけどね」

 どうだかな、と苦笑するカナちゃんは、何だかお姉さん(・・・・)だった。僕は仕方ないけれど、まぁくんのこともしょうがない弟(・・・・・・・)みたいに思っている節がある。多分、可愛くて、正したくて、幸せでいて欲しいのだろう。まぁくんだから(・・・・・・・)、ではないはずだ。きっと。