「宏海くん、ごめんね。飲ませ過ぎちゃった」
「いえ。まぁ……今日は仕方ないですから。カナちゃんの話聞いてくれて、ありがうございます」
「暁子、休みの日に、愚痴聞いてくれてありがとうね」
「いえいえ。今日はもうゆっくり寝なさい。また明後日ね」
「うん。じゃあ」
一人で帰れると言ったが、暁子はそれを許さなかった。飲みすぎた自覚はあるけれど、真っ直ぐには歩けるのに。きっと、ここから一人で帰る私が心配だったんだと思う。だから彼女の言うように、素直に宏海を呼んだ。今日くらいは、誰かに甘えてみようかな。自分が弱っている自覚もあったから、ちょっとだけそう思ったのも確かだ。
小さくなる暁子の背を見つめる。自分を許してあげて。彼女の言葉を、何度も何度も反芻していた。私も幸せになっていいの? 脳内はそう繰り返すが、答えは分かっている。どんなに優しい声を掛けられても、結局は自分が許せないのだ、と。
「いえ。まぁ……今日は仕方ないですから。カナちゃんの話聞いてくれて、ありがうございます」
「暁子、休みの日に、愚痴聞いてくれてありがとうね」
「いえいえ。今日はもうゆっくり寝なさい。また明後日ね」
「うん。じゃあ」
一人で帰れると言ったが、暁子はそれを許さなかった。飲みすぎた自覚はあるけれど、真っ直ぐには歩けるのに。きっと、ここから一人で帰る私が心配だったんだと思う。だから彼女の言うように、素直に宏海を呼んだ。今日くらいは、誰かに甘えてみようかな。自分が弱っている自覚もあったから、ちょっとだけそう思ったのも確かだ。
小さくなる暁子の背を見つめる。自分を許してあげて。彼女の言葉を、何度も何度も反芻していた。私も幸せになっていいの? 脳内はそう繰り返すが、答えは分かっている。どんなに優しい声を掛けられても、結局は自分が許せないのだ、と。

