メガネをはずしちゃいけません!

__
____音楽室



ガラッ__…




扉を開けると、
窓際で外を見ながら立ちすくむ帝の姿があった。



帝「………なんだよ。」


帝は振り向きもしないでそう言った。
まるで、俺が来ることを見越していたかのようだ。


風間「……別に。ただ、血相を変えて走って行っちゃうから。探してたよ。」



帝「………」



”美奈ちゃんとなにかあった” 
そう言わんばかりの背中。

おおかた、勢いに任せて
「ミスコンに出るな!」とか「メガネを外すな!」とか
横暴なことを言っちゃったんだろうけど…・・・




ガタンッ__



風間「……どうした?なんかあった?」



ここは帝の話を聞こう、そう思った俺は、
すぐそばにあった机に座って、そう聞いた。


すると、


帝「俺は、そんなに、…」






帝「あいつのことを、沙羅とは違うって分かってないのか…」



ポツリ…と、
消えそうな弱々しい声で、帝はそう言った。



風間「………」



たしかに俺は、以前、
帝にそう言った。


なぜなら、帝は、”美奈”ちゃん自身のことを知ろうとしていないから。


気にはなってるくせに、それ以上踏み込もうとしない。
”沙羅以上の存在”として、認知しようとしていないんだ。

でも、帝に悪気があるわけじゃないのも分かっている。


多分、本気でどうしていいか分からないのだろう。
帝は本当に不器用だから。



本当なら、自分で気づいてほしかったけど……




__”…会長が思ってる以上に、難しい問題なのかもしれないです。”



さっきの彼女の言葉を思い出す。


そうだね。本当だ。
これは、思ったより重症だね。



風間「……帝はさ、」



ありがとう、坂下さん。


俺は、帝に、
助け舟を出すよ。