メガネをはずしちゃいけません!

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風間「…ったく……帝のやつ、どこいったんだよ……」



俺は、血相を変えて走っていった帝を探して、
校内を歩いていた。


すぐに追いかけたかったのだが、
ミスコン投票の件で他の生徒からの質問が多く、
それができなかったのだ。

今回のミスコン、美奈ちゃんが出場すると知ったときは正直驚いた。

でも、これが帝にとって良い刺激になるかもしれない…とも思ったのだが…




風間「……美奈ちゃん…大丈夫かな…」






しばらく校内を歩いていると、



風間「あれは…」


前から、見覚えのある生徒が歩いてきた。

坂下 彩香。今回のミスコン企画に、
1年代表で携わってくれている生徒。

その企画力や推進力には、
他の学年の生徒からも一目置かれるほどだ。
また、しっかりしていながらも、
柔らかく明るい雰囲気で
周囲ともすぐに仲良くなれる、
そんな不思議な子だ。


そして、……美奈ちゃんの友達…。
でも今は、美奈ちゃんとは一緒ではないようだ。



彩香「……!」



すると、向こうも俺に気づいたようで、
こちらに向かって歩いてきた。


風間「やぁ。坂下さん。ミスコン企画の件は本当にお疲れ様。いよいよ投票開始だね。」


彩香「会長も、いろいろとご協力いただきありがとうございました。」


うん。相変わらず、しっかりした受け答え。


彩香「それと……」



風間「…え?」


彼女は、すべてを見透かしたような目で
こちらを見つめ、言った。



彩香「山神帝さんなら、音楽室にいますよ。」



唐突に言われた言葉。
彼女の目は、まっすぐ俺を捉えて離さない。



この子………
いつもはふんわり柔らかな雰囲気があるのに、…
今はとても鋭い空気が張りつめる。


俺はあまりのギャップと
彼女のその一言に目を見開いた。