相沢「…そっか…。そこまで覚悟決めてるんだな…」



美奈「…うん。」



相沢「…わかったよ。ごめんな。こんなこと言い出して。」



美奈「そんな…謝らないで。相沢くんはいつも心配してくれたり、助けてくれたり…ほんとに感謝しきれないよ。」


…本当に。相沢くんは優しすぎる。
最初から、私は相沢くんに助けてもらってばっかりだ。


美奈「もし、相沢くんも困ったことがあったら、なんでも相談してね!今度は私が返す番だし!」


せめて感謝だけは伝わってほしい、と、
私は精一杯の笑顔でそう伝えた。


相沢「…なんでも相談に乗ってくれるのか?」


美奈「え…?うん…私にできることなら…」


え…相沢くん、
まさかなんか悩んでいることが?!


相沢「それじゃあさ…」













リリリリリリッ_____!





相沢くんの言葉を遮るように、
私の携帯が鳴り響いた。


美奈「わっ!ごめん相沢くん!彩香から電話かかってきちゃった…」



相沢「あ…坂下待たせてるんだったな。行ってあげなよ。話も終わったし。」



美奈「え…でも相沢くん、何か悩んでるんじゃ…」



相沢「お、俺は別に大丈夫。時間作ってくれてありがとう。また明日。」



美奈「…そっか。こちらこそありがとうね。じゃあまた!」

相沢くん…大丈夫なのかな。

少し心配になりながらも
私は、彩香が待つ教室へ向かったのだった。



_____…



相沢「っ…ぶねぇ…。俺、今何言おうとした…?」
思わず顔を覆った手に、顔の熱が伝わる。


『 俺と付き合って。』


口から出ようとしていた言葉を振り返って焦った。
まだちゃんと好きだと伝えてもいないのに。


相沢「坂下からの電話がなかったら…」

安堵する自分と、勢いに任せてでも
伝えておけばよかったかもしれない。と後悔する自分がぶつかり合う。

…次こそは…ちゃんと伝えよう。


そう心に決めた。