美奈「先輩。どいてください。」


帝「せめて目、見て言ってくんない?」


美奈「見る価値もないんで。早くどけ。」


帝「見る価値充分だろーが。ほら早く見ろよ。」


美奈「いい加減そのナルシスト治せ、クズ男。」


帝「何だと!メガネ女のくせに!」


はぁー…この会話何回目だろ。嫌になるわー。


ノイローゼになったらどうしてくれんだ。


帝「いい加減認めろよ。お前は俺に惚れてんだよ!」


美奈「んなわあるか!」




ゲシッ




帝「いってぇ!」



思いっきりスネ蹴ってあげました。



彩香「痛そう…」


美奈「自業自得。」


帝「メガネぇ…」


しゃがみ込んだ先輩を放置し
ようやく登校。



一週間もこの調子。

そろそろ帝ファンの襲撃ありそうだな。
あー怖い怖い。



彩香「さっきすれ違った女の人…こっち睨んでた。」


美奈「…。彩香、もう私の近くにいない方がいいかもよ。」


彩香「え…」


美奈「彩香までやっかみ受けちゃうかもしれないから。」


彩香「でも美奈を一人にはできないよ。」



美奈「…。気持ちは嬉しいんだけどね。」



自分のせいで親友が傷つくところなんてみたくない。



これも全部あいつのせいだ。
どこまで私の人生をめちゃくちゃにすれば気が済むんだ。



美奈「…。」




こうなったらやめてもらうしかないな。
あのナルシスト男に。



美奈「今日、先輩に言ってみるよ。もう近づかないでくださいって。さすがに一週間も続くと困るし。」



彩香「大丈夫かな…」



美奈「なんとかしてみる。」


親友と私の平凡ライフのためにも。