そう呟いた時。

多分奥の部屋から音が響いた。

それもガシャン……!と大きな音で。



「ん? 奥の部屋?……悪党でも忍び込んだ?」

「悪党?」



なんでそんなこと分かるの……?



「ちょっと憐夜さん」



涼くんに諭され、憐夜くんは私を見た。



「あ、ごめんごめん。なんでもないよ〜。それより士綺クン奥の部屋にいるのかな〜?」

「俺見てきます」



そう言い、涼くんが奥に向かった。



「さ、じゃあ士綺クンとどーゆう関係なの?」

「え?」



なぜか急に士綺くんの話になり、詰め寄られた。



「だって“あの”士綺クンが女の子と話してたんだよ!? 『明日は隕石降ってくるー』って思ってたからね!」

「そ、そんなに……?」



それより、“あの”ってどういう意味だろう……?



「あの“百獣の王”と呼ばれてる士綺クンが!」

「“百獣の王”……?」