足元から崩れて、床に転がりながら天鬼岳たちの声を聞いていた。

……幹部たちってことは、士綺くんたちはまだ無事……。

良かった……。



「う……」



解毒薬はまだなのか、グラグラと頭が痛む。

それに、体はどんどん麻痺して、感覚がなくなっていく。



───ドンッ!! ガシャン!!



「っ、クソ……!!」



嘘……。

倉庫のシャッターが、ゆっくりとヘコみ、開いて行く。



「───椿月!!」

「あ……あぁ……っ」



誰よりも、愛しい人。

私が困った時、辛い時、傍にいてくれる人。

外はもう、夜みたい。

久しぶり見た月は、半分、綺麗に光っていた。

その光に照らされたのは───。