俺様御曹司は逃がさない

最近、よく分かんないけど九条も忙しそうにしてるし、行きも帰りも別行動することが増えた。

ま、気楽でありがたいけどー。


「あの人と喧嘩でもしてんの?」

「え?別に?」

「夏、ドチ喧嘩したって噂聞いたけど~」

「あ、ああ……あれは……まあ、喧嘩……なのかな?」

「いや、知らねーし。最近あの人と一緒に居なくね?」

「あたしにもよく分かんないんだけど、忙しいみたい。知らんけど」

「ふーーん」


急に黙って何かを考え始めた宗次郎。

なんか宗次郎って不思議なんだよね。

ぶっちゃけ敵か味方か分かんないっていうの?

まあ、害があるわけでもないし、何だかんだフォローしてもらってるから、なんでもいっか~みたいなノリだよね~。


「なぁ、知ってる?あの人最近、熱あっ……」

「あーー!!!!」

「なに、うるさい」

「胡桃ちゃんに漫画貸して貰う約束してたんだった!!」

「ねぇ、舞。お前さ、漫画読んでる場合?」

「……漫画は時に世界を救うのだよ」

「あーそう。さっさと行ったら?」

「また連絡する!後で落ち合お~!」


そう言いながら走って胡桃ちゃんのもとへ向かった。