俺様御曹司は逃がさない

だから、ちょっと物珍しいだけ。“トクベツ”だと勘違いしているだけ──。


「あたしだからいいものの、これが他の女子だった場合、かなーーり勘違いすると思うので今後は気をつけた方が宜しいかと」

「それはどうでしょう。さ、柊弥様のお部屋へお戻りください」

「承知いたしましたーー」


あたしが嫌そうに返事すると、何故か嬉しそうに笑っている霧島さん。霧島さんも性格悪いな~。“人の不幸は蜜の味タイプ”の人間だ。


「はぁぁ……」


九条の部屋へ向かう足が重い。ため息しか出てこない。というか、お母さんもお父さんも酷くない? 娘を何だと思ってるのよ、まったく。

で、ブツブツと独り言を言っていたら、あっという間に着いてしまった。“これは仕事、これは仕事”……と暗示をかけ、コンコンッとドアをノックする。

シーーン。

ま、返事が来るなんて微塵も思っていない。


「失礼いたします」


部屋に入って、どうせ起きているだろうと思いながら九条に近付いた。


「霧島さんの指示で泊まることになりましたーー。不本意ではあります……が……」


九条は顔をしかめて息苦しそうな呼吸をしながら寝ていた。随分とキツそうだな。

・・・・とはいえ、してあげられることがあまりない。