思い当たることが、１つだけある。

だけどッ！ それはッ………！！！


「やっぱりっ、浮気じゃない………。私は幸人に、釣り合ってないのよっ…………。だから、私たち、別れましょ……」

俺の反応が肯定だと思ったのか、そう言って凛は顔を両手で覆ってしまった。


「違うッッ！！！聴いてくれ、凛！！！」

声を荒らげるように言っても、顔を上げてくれない。

「……きゃっ！！」

仕方なく、凛の両手を無理矢理剥がさせた。仕方なく。

しゃがんで、視線を合わせる。


「別れるなんて、言わないでくれ。頼む。凛と別れるなんてッ、俺には無理なんだよ………。






—————凛、愛してる。」