「…………なんで、そんなこと言うの?」

「は?」

見つめていた凛の瞳から涙が溢れてきた。

こっちが訊きたいのに。


「なんで、そんな……。私に、幸人を、諦めさせてくれないの??幸人が、私と別れたいんじゃないの???」

一筋の涙を絶えず流しながら、悲痛な声で訴えるように言う凛。

「待て!どうしてそんなことになった?俺、別れたいだなんて言ったか??」

言うはずがない。

まさか、誰かから何か吹き込まれたのか??誰だ??殺すぞッ……!!



「…………幸人が、浮気してるとこ、見ちゃったの。」

う、わき………??

間抜けな顔をして呆然としているだろう俺の様子に気づかないまま、凛は話し続ける。

「3日前、買い物に出かけたときにね、幸人が、美人さんと腕を組んで歩いてるのを、見たのよっ……!」


「……………………あ、」