君と二度目の恋に落ちたら

「受付でもびっくりされたんですけど、時間早いけど特別にって通してくれたんです」

母はニコニコしながら彼の話を聞き、私に教えてくれた。

「彼ね、ゆりあが眠っている間もたくさんお見舞いに来てくれたのよ~」

前野くんは恥ずかしそうに頭を搔いていた。

夢の中で父は母も何か勘づいているようだったと話していたが、それは本当のことのようだ。なんとなくわかっているような気がする。

私も照れながら「ありがとうございました…」と言う。

しかし、そこで母はハッとして自分の腕時計を見る。

「前野くん、学校は!?」

私が目を覚ました後に病院の人が教えてくれたが、今日は木曜日だということだった。夏休みはとっくに終わっていて、もう10月を迎えていた。

「あ…そうですね…。遅刻覚悟でここに来たんですけど、行かないとマズいですよね…」

前野くんは苦笑いしながらそう言った。

「朝早くから騒がしくしてすみませんでした。また放課後に来ます」

彼はそう言ってペコリと頭を下げて、速足で病室を去っていった。

「いい子ね~」

母はニヤニヤとした表情でこちらを見ていた。完全にお見通しのようだ。私は照れを隠すために頬をむくれて見せた。