君と二度目の恋に落ちたら

「私、お父さんが大好き…。本当はこのままずっとお別れしたくない…」

父の鼻をすする音が聞こえる。きっと父も涙を堪えきれなくなったのだろう。

私は一度ぎゅうっと父を強く抱きしめてから、体を離して父の顔を見ながら言葉を続けた。

「だけど、私…今はまだ弱いままだけど、現実で生きていきます…」

父は目を閉じ、ポロポロッと涙を落としながらこくんと小さく頷いた。

「ゆりあは強い子だよ。大丈夫」

そう言いながら顔を上げた父は笑っていた。私はその表情を見て、胸が痛くなった。父と離れ離れになる選択をしてしまったのだ。だけど、父は私の選択を肯定してくれた。

「結局はお父さんのわがままだったんだよ…。ごめんな」

「そんなことない!私は…きちんとお別れも言えなかったから、こうしてお父さんに話したいこと話せて本当によかったと思ってるよ」

父は私の頭を優しく撫でた。

「お父さんは、ずっとゆりあを見てきて強い子だと思っていたけど、きっとこの先にもたくさん辛いことがあると思う。それは理不尽で、納得のいかないことかもしれない。残念ながら、世の中にはそんなことが溢れている…。

心が折れることだってあるだろうけど、お父さんはゆりあなら大丈夫だって信じてるよ。時には休みながらでいいから、自分のペースで歩いて行きなさい…」

撫でていた手で頭をポンポンと軽く叩いて手を離した。私が父の言葉に小さく頷いてから少しの間、沈黙が流れた。