柏原さんは部活を少し抜けて僕に声を掛けてくれていたので、吹奏楽部の練習が終わるまでの間、いつもの場所で座って待っていた。
平松さんに会えたら、僕は一体なんと声を掛けたらいいのだろうか…。
彼女が来ないかと待ち続けていたが、これの答えはいつ考えても一向に出てこなかった。大切な家族を突然理不尽な形で失った人へ、投げかける言葉は思いつくもの全てが無責任な気がしてならなかったのだ。
傷ついた彼女をさらに傷つけてしまわないかと不安にもなり、下手に言葉にしてはいけないような気もした。
しかし、だったら僕に何ができるのだろうか?会いに行くことは果たして彼女のためになるのだろうか?
ぐるぐる考えても答えが出ないことを僕は柏原さんを待ちながらずっと考え続けた。
だが、事は思ってもいなかった方向へと進んでいった――…
部活が終わってすぐに僕のもとに来た柏原さんは困った顔をしていた。
「最近はいつも部活が始まる前に『今日も部活終わったらおうち行くね』ってメッセージを送ってるんですけど、さっき開いてみたらまだゆりあから返事が来てなくて…電話かけても繋がらなくて…」
いつもと違う様子らしく、柏原さんはとても動揺しているようだった。
「ちょっと念のためにゆりあのお母さんに連絡してみます…」
電話のコール音は僕にまで聞こえてきたが、その音が途切れることはなかった。
柏原さんは顔色を悪くしながらこちらを見た。僕も一気に緊張感が増す。
「とにかく、ゆりあの家に一緒に行ってもらってもいいですか?」
「はい…」
平松さんに会えたら、僕は一体なんと声を掛けたらいいのだろうか…。
彼女が来ないかと待ち続けていたが、これの答えはいつ考えても一向に出てこなかった。大切な家族を突然理不尽な形で失った人へ、投げかける言葉は思いつくもの全てが無責任な気がしてならなかったのだ。
傷ついた彼女をさらに傷つけてしまわないかと不安にもなり、下手に言葉にしてはいけないような気もした。
しかし、だったら僕に何ができるのだろうか?会いに行くことは果たして彼女のためになるのだろうか?
ぐるぐる考えても答えが出ないことを僕は柏原さんを待ちながらずっと考え続けた。
だが、事は思ってもいなかった方向へと進んでいった――…
部活が終わってすぐに僕のもとに来た柏原さんは困った顔をしていた。
「最近はいつも部活が始まる前に『今日も部活終わったらおうち行くね』ってメッセージを送ってるんですけど、さっき開いてみたらまだゆりあから返事が来てなくて…電話かけても繋がらなくて…」
いつもと違う様子らしく、柏原さんはとても動揺しているようだった。
「ちょっと念のためにゆりあのお母さんに連絡してみます…」
電話のコール音は僕にまで聞こえてきたが、その音が途切れることはなかった。
柏原さんは顔色を悪くしながらこちらを見た。僕も一気に緊張感が増す。
「とにかく、ゆりあの家に一緒に行ってもらってもいいですか?」
「はい…」

