君と二度目の恋に落ちたら

僕は1時間ほど待ってみたが、彼女は一向に姿を現さない。落胆しながら、2組の教室に行ってみたがそこにはもう誰もいなかった。

僕たちは連絡先を交換できないまま、夏休みに突入してしまった。連絡は取れない。

仕方なく、僕は自分の家に帰った。なぜ、彼女は来てくれなかったのだろうか…。

帰り道、すれ違った人の声が聞こえてきた。

「この近くで今朝、事故があったみたいだよ」

「え～、怖いね～」

僕はそれを聞いた瞬間、青ざめた。まさか…違うよな？

その場で立ち止まり、スマホを取り出して地域名と「事故」というキーワードを入れて、検索エンジンで検索をかける。

すると該当の事故と思われる見出しが出てきた。僕はあまりにも早い鼓動で息苦しさを感じながら「○○市でトラックが歩道に突っ込む事故発生」という見出しをタップした。

開いた先に書かれた文字量は少なく、まだ詳細が出ていないようだったが、トラック運転手と歩行者の男性2名が重症で他に負傷者はいなかったと書かれていた。

もちろん安心していい内容ではなかったが、彼女が事故に遭ったわけではないとわかり、ホッと胸をなでおろした。

来てもらえなかったことは少しショックだったが、何か事情があるのだろう…。とにかく、彼女が事故に遭っていなくてよかった。

僕は傷心と安堵の気持ちを併せ持ちながら帰宅の道を辿った。