君と二度目の恋に落ちたら

ーAnother Sideー

僕と彼女は平穏な時を過ごしていた。自販機で会ったら会話を重ね、誰にも邪魔されない幸せな時間だった。

夏休みも目前になってきた頃には、僕は自惚れではなく、彼女も僕と同じ気持ちを持ってくれているのではないかと思うようになってきた。

もし、これが僕の勘違いだったら彼女は恐ろしいということになってしまう。

しかし、だからといって大胆に告白をするなんてことは恋愛経験のない自分にはできないことだった。なんと言っても、実は彼女と連絡先の交換もできていないのだ。

少しずつ、近づいていけたらいいなと思っていた。なので、僕は夏休みの直前に少しだけ勇気を出した。

お互いのクラスの文化祭の練習日が被っている日に彼女が、練習終わりに自販機のところに来るというので、自分も行ってもよいかと尋ねたのだ。

彼女は快く了承してくれた。

僕はそれが嬉しくて、お互いの教室に戻った後、その日はお昼ごはんに誘ってみようかなんて考えてみた。夏休みが楽しみでたまらなかった。



だが、約束をしていたその日、待てど暮らせど彼女はやって来なかった。