君と二度目の恋に落ちたら

もうここまで来たら、そういうことだよね…と思い、私の気持ちは高揚した。早く全部終わらないかなと思ってしまうほどだった。

待ち遠しくて仕方がなかった時間はやっとやってくる。

私はもかにこのことを話すこともしないまま、自販機へと向かう。自販機にたどり着いた時に待っていることに、現実感がないようなふわふわした気持ちもあったが、前野くんは確かにそこで待ってくれていた。

私は彼のもとへ近寄る。一歩、また一歩と近づく度に胸が高鳴った。

「お疲れ様です。さっきは…突然すみません」

前野くんが言葉を発する度に緊張感が増していく。

少しの沈黙があった後、前野くんは私が期待していた言葉をくれた。

「平松さんのことが…好きです。僕と、付き合ってくれませんか?」

前野くんの声は少し震えていた。緊張しながら振り絞ってくれたのだろう。私はこの言葉を聞いた瞬間に嬉しさのあまり涙が出てきた。

私も声が震えてしまったが「私も前野くんが好きです」と返事をした。

人生でこんなに幸せなことってあるんだなと思った。前野くんと出会ってから、私は幸せに溢れていた。きっとこれからも幸せなことがたくさん待っているんだ。私は未来が楽しみで仕方ないと思った。

前野くんは私の返事を聞いて緊張の糸が解けたのか、その場にしゃがみこんでしまった。

私はそんな前野くんに近寄り、屈んで前野くんの肩に手を置いた。

「こんな幸せなことってあるんですね…」

私がそんなことを言うと前野くんは顔を上げてこちらを見た。その目には涙が浮かんでいた。前野くんもそれだけ嬉しいと思ってくれているのかなと思っていると、前野くんは立ち上がり、突然私のことを抱きしめた。

私は突然のことにびっくりしたが、好きな人に抱きしめられる体温に心地よさを感じた。

「僕が、平松さんのことを幸せにします…」

「へへへ…ありがとうございます…」

前野くんの宣言にこそばゆい感じもしながらも幸せを噛みしめていると、前野くんは言葉を続けた。