私たち生徒は校庭で整列させられ、フォークダンスの準備が始まる。言い伝えを実行する人はこの間に、どさくさに紛れて他のクラスに並ばせてもらう。
男女ともに何人かちらほら自分の想い人と踊れるように工作している姿が見えた。
私も順番を変えさせてもらわないと前野くんと踊る順番が来ないことは明白だった。体育の授業と違い、奇数クラスも入ってくるので2組の私が6組の人と踊るのは無理だろう。
もかとは直前までどうしようと話していたが、私は結局肝心なところで勇気が出せないのだ。
もう列を変えることができないという状況になり、諦めるしかなくなった私は「私たちはゆっくり進んでいけばいいんだ」と自分に言い聞かせることにした。
学年ごとに円を作り、フォークダンスの音楽が流れ始めて私は完全に言い伝えの実行を諦めた。
それからの私は無心で踊ることで、少しの後悔の気持ちを鎮めようとしたが、何人かと踊ったあとに気が付くことになる。
え…次の次にいる人って…。
それは間違いなくそこにいるはずのなかった前野くんだった。私の胸の高鳴りは急加速した。
ドキドキしている間に前野くんと踊る順番が回ってきた。私は上手く前野くんの方を見ることができなかったが、向こうも同じようだった。
「…このあと、文化祭終わったら自販機のところに来てくれませんか?」
前野くんがそう言った直後に、私たちは振りで向かい合う形になった。私は上手く声が出せなかったが、必死に頷いて見せた。前野くんはそれを見てくしゃっと笑った。
それから残りのフォークダンスのことも、ステージ発表に対する講評も何もかも頭に入ってこないくらいに私は前野くんのことしか考えられなくなってしまっていた。
男女ともに何人かちらほら自分の想い人と踊れるように工作している姿が見えた。
私も順番を変えさせてもらわないと前野くんと踊る順番が来ないことは明白だった。体育の授業と違い、奇数クラスも入ってくるので2組の私が6組の人と踊るのは無理だろう。
もかとは直前までどうしようと話していたが、私は結局肝心なところで勇気が出せないのだ。
もう列を変えることができないという状況になり、諦めるしかなくなった私は「私たちはゆっくり進んでいけばいいんだ」と自分に言い聞かせることにした。
学年ごとに円を作り、フォークダンスの音楽が流れ始めて私は完全に言い伝えの実行を諦めた。
それからの私は無心で踊ることで、少しの後悔の気持ちを鎮めようとしたが、何人かと踊ったあとに気が付くことになる。
え…次の次にいる人って…。
それは間違いなくそこにいるはずのなかった前野くんだった。私の胸の高鳴りは急加速した。
ドキドキしている間に前野くんと踊る順番が回ってきた。私は上手く前野くんの方を見ることができなかったが、向こうも同じようだった。
「…このあと、文化祭終わったら自販機のところに来てくれませんか?」
前野くんがそう言った直後に、私たちは振りで向かい合う形になった。私は上手く声が出せなかったが、必死に頷いて見せた。前野くんはそれを見てくしゃっと笑った。
それから残りのフォークダンスのことも、ステージ発表に対する講評も何もかも頭に入ってこないくらいに私は前野くんのことしか考えられなくなってしまっていた。

