君と二度目の恋に落ちたら

目を覚ました私の胸はどくどくと早い鼓動を刻んでいた。なんだか、苦しい。

時計に目をやると現在が7時半であることがわかった。学校のある日に比べたらほんの少しだけ遅い起床時間だった。

登校時間が違ったら暑さの具合が違った。この息苦しさも暑さのせいだったりするだろうか…。

私は水分をとろうと、軽い身支度も済まさないままリビングへと降りて行った。

リビングでは父が勢いよく朝食を食べていた。きっと今日も寝坊をしたのだろう。

「ゆりあ、おはよう!!」

口いっぱいにご飯を詰めているので、それが私に見えないように手で口を隠しながら父が私に挨拶をする。私はそんな姿を見て小さく笑った。

台所に入り、自分が愛用しているコップを手に取り、それに水を注いで口に運ぶ。だが、そのコップを持った手にうまく力が入っていないことに気が付いた。少し震えているような気もする。

「ゆりあ?どうしたの?」

台所に立っていた母が私を心配そうに見ていた。

「ううん、なんでもない」

私はこの前のように心配され過ぎることを懸念して、何も話さなかった。今日は前野くんに会える日でもあるのだ。行くなと言われないためにも、このことは隠さなくては…。

母は少し納得がいかない様子だったが、これ以上の言及はしてこなかった。

「ごちそうさま!!」

父が勢いよくそう言い、流しに食べ終わったお皿を置きにやって来た。そしてすぐに会社用のバッグを持ち、「行ってきます!」と言って玄関に向かっていった。