それから悶々と考えたが、放課後を迎えても自分がどのように動けばいいのかわからなかった。頭が疲れたのか、いつものミルクティーが飲みたいと思ったので、私は初めて放課後にあの自販機に行くことにした。
私が自販機に行くために動き出した頃にはもうすでに色んな部活動の音や声が聞こえてきていた。自販機がある棟では吹奏楽部が部活を行っているため、近づくにつれて楽器の音も大きくなっていった。
もかと鉢合わせたりするかななんて考えながら、自販機のそばの角を曲がった時、私は目の前にいたその姿に驚いて息を飲んだ。
「あ、あれ…お疲れ様ですっ…」
その人物は最初私の姿を捉えていないようだったので、気づいてもらえるように声を掛けた。するとその人物――前野くんは驚いたようにこちらを見た。
「あ、お疲れ様です…放課後もここ使ってるんですね」
「ううん…実は今日初めて放課後にこっちに来ました…」
「自分も今日が初めてかもです」
放課後にここへ来て前野くんに会えるとは思っていなかった。しかも前野くんも放課後にここに来るのは初めてとは、なんという偶然だろうか。思わぬ遭遇に心臓が先ほどから鳴りやまない。
前野くんはまだ目当てのものを買っていなかったのか「よかったらお先にどうぞ」と私に譲ってくれた。私はお礼を言ってミルクティーを購入した。
コーヒーを買おうとしている前野くんに私は後ろから話しかけてみた。
「そういえば、前野くんって部活やってるんですか?」
「いや、自分は帰宅部です」
「じゃあ、私と一緒ですね。普段はそのまま帰るから、本当にこっちには全然来ないんですけど、たまたまミルクティーが飲みたくなってここに来たら前野くんがいたからびっくりしました」
「僕も驚いちゃいました」
前野くんはそう言いながら屈んで出てきた缶コーヒーを取り出し、その姿勢のままこちらを見て笑いかけてきた。
私が自販機に行くために動き出した頃にはもうすでに色んな部活動の音や声が聞こえてきていた。自販機がある棟では吹奏楽部が部活を行っているため、近づくにつれて楽器の音も大きくなっていった。
もかと鉢合わせたりするかななんて考えながら、自販機のそばの角を曲がった時、私は目の前にいたその姿に驚いて息を飲んだ。
「あ、あれ…お疲れ様ですっ…」
その人物は最初私の姿を捉えていないようだったので、気づいてもらえるように声を掛けた。するとその人物――前野くんは驚いたようにこちらを見た。
「あ、お疲れ様です…放課後もここ使ってるんですね」
「ううん…実は今日初めて放課後にこっちに来ました…」
「自分も今日が初めてかもです」
放課後にここへ来て前野くんに会えるとは思っていなかった。しかも前野くんも放課後にここに来るのは初めてとは、なんという偶然だろうか。思わぬ遭遇に心臓が先ほどから鳴りやまない。
前野くんはまだ目当てのものを買っていなかったのか「よかったらお先にどうぞ」と私に譲ってくれた。私はお礼を言ってミルクティーを購入した。
コーヒーを買おうとしている前野くんに私は後ろから話しかけてみた。
「そういえば、前野くんって部活やってるんですか?」
「いや、自分は帰宅部です」
「じゃあ、私と一緒ですね。普段はそのまま帰るから、本当にこっちには全然来ないんですけど、たまたまミルクティーが飲みたくなってここに来たら前野くんがいたからびっくりしました」
「僕も驚いちゃいました」
前野くんはそう言いながら屈んで出てきた缶コーヒーを取り出し、その姿勢のままこちらを見て笑いかけてきた。

