君と二度目の恋に落ちたら

彼にどうぞどうぞと促され、私はミルクティーを二口ほど飲んだ。冷たい液体が流れ込んで心地がよかったのは、彼と話をしていて体が火照っていたせいもあるかもしれない。

「あの…上履きの色が同じなんで1年生ですよね?私、2組の平松ゆりあっていいます…。お名前、聞いてもいいですか?」

名前を聞くだけで不審に思われないだろうかと不安になってしまう。だが、彼は特に何にも気に留めないように答えてくれた。

「自分は6組の前野弘人っていいます。よくそこの自販機に飲み物買いに来てます」

「私もよくそこの自販機使ってます…このメーカーのミルクティーが好きで…」

「昼休みにそこの自販機に買いに来る人あんまりいないですけど、仲間ですね」

「仲間」という言葉に小さく笑ったら、彼もまた小さく笑った。

「じゃあ、自分教室戻るんで、無理しないでくださいね」

「うん、ありがとうございました…」

彼の後ろ姿を見送りながら、私はまたミルクティーを口にした。「前野くん」というのか…6組だったら教室の階も違うので、廊下ですれ違うことは少ないかもしれない。だけど、同じ偶数クラスだと体育の合同授業が一緒になるので、もしかするとそこで前野くんを見かけたことがあったのかもしれないなと思った。

めまいがしてしばらく経つが、あれ以来特に問題なさそうなので立ち上がり、私も自分の教室に戻ることにした。もかを長く待たせてしまった。急いで戻ろう。

自分の教室に戻るともかはお弁当を広げて食べているところだった。

「遅くなってごめん…」

「食べながら待ってたし、全然平気だよ~。けど、時間かかったってことは…」

もかは食べる箸を止めてニタニタと私を見て笑った。

「うん…会えたよ…」

私は椅子に座り、お弁当を広げながらもかにめまいがしたところを助けてもらったこと、彼の名前を知ることができたことを話した。もかは私がめまいを起こしたことを心配しながらも、「ひゃあ…なんだか王子様みたいだね~」とうっとりしながら聞いていた。