こーいうときは脳筋で単細胞。
やっぱ真琴の兄貴なんだよな…って思う部分が節々に見えんの、いいかげんにして欲しいってのに。
「だって律ちゃんには“性別の違い”ってヤツがけっこー邪魔みたいだから」
この感じ、ほんとに私のことしか見えてない。
真琴のために髪切ってスカートやめて男になろうとしてる私の思考回路とおなじだ。
………って考えると、私ってこんなヤバいことしてたのかよってなるけど。
「…べつに私は女の子しか好きになれないとかじゃないって、」
「知ってる。…真琴が、ね」
その顔、嫌だ。
自分だけは分かってますよ感。
せめてそこでくらい私の特別になりたいんだ的なその顔、罪悪感で死にそうになるからやめろ。
「なんで髪、切っちゃったの。…なんで制服やめちゃったんだ律ちゃんよ」
「……私の気持ちなんか分かってんでしょ、どーせ」
ぜんぶぜんぶ分かってるでしょ。
私が真琴を見ている目で、あんたは私のこと見てんだから。
でも残念ながら藍さん、ぜんぜん違ったんだよ。
真琴の初恋だろう男を実際に前にしたときの身長差から始まって体格差とか、ほんと毎回泣きたくなる。



