学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





「そう思ってたんだよ俺も先生も。…の、はずなんだけどねえ」


「…………」



ペラリと見せられた採点後の小テスト。

赤文字で堂々と24点、と。

せめて30点はいってほしかった。
半分にも到達してないって……ビミョーすぎ。



「さすがに体調を心配されましたね」


「でしょーね」


「そこで律ちゃんに問題です。俺がなんでこんな点数取ったか分かります?」



知るか。

そしてキョーミもない。


自惚れてるわけじゃないけど、ただ単に私と話す時間を設けたかったのなら言ってくれればいい。

また真琴の家に遊びに行ったついでくらいには会話してあげられるし。



「…たまたま、ですか」


「わー、やさしい。まあ正解は……律ちゃんのことしか考えてなかったみたい」


「…………」



そーいうセリフをサラッと言ってしまえる人だってことは重々承知だ。

他の女子生徒だったなら大爆発なんだろうけど、私といえばそりゃあ至って穏やかな心構えで聞くことができてしまっている。