「いいかげん帰りたいんですけど」
「ごめん。だめ」
「真琴にもテキトーなこと言ったでしょ、藍さん」
「ごめん。言ったね」
先に謝ればいいってもんじゃない。
とある放課後。
用があるとか何とかで呼ばれたかと思えば、空き教室に閉じ込められて今。
お兄さんからの命令だからと疑うことをしなかった真琴は、先に学校を出たっぽくて。
「小テストがあってさ今日。何点だったと思う?あ、50点満点中ね」
急になに。
「……48点、とか」
家が近いからって理由と、当時引っ越してきたばかりでこの近辺の高校のことは詳しく知らなかった。
そんな理由で今の高校に通っているこの人は勉強ができる。
はやく帰るため気分を良くしとこうとお高めな点数をあげてみせた私に、藍さんは困った顔をした。



