学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





聞くに決まってるから溜めんなよ。

の意味を込めて、圧を加えつつ前のめりになってまでもうなずいた。



「じつはその後輩ちゃん、あたしと付き合ったことで本当は男の子が好きってことに気づけたみたい。…きっとその境界線に迷ってたんだろーね、その子は」



なんとなく落胆した。
やっぱそうなんのかよ、と。

つまり私とは似たようで正反対の世界だってこと。


曲がった道を歩いたものの、最終的には正しい道に戻れたパターンがそれ。


ちがうんだようっちー。

私は自分にとっては正当なものだけど、正しくない道をまっすぐ歩いてる。



「…そのあとって、普通に友達同士には戻れたんですか」


「もちろん。その子は結婚して子供もいるけど、今でもたまに一緒にご飯とか行ってるよ。…あたしの場合はね、こんな感じだった」



“あたしの場合は”

わざわざ強調したうっちーは、私が抱える不安を微笑みで和らげた。