学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





しかも4限の現国だって、うちのクラスは周りのクラスより進んでるっぽいから先生も本腰は入ってない。

だからもうちょっと、いーや。



「ふはは。おまえ、わりと打算的なやつだな瀬戸」


「だって私が学校にくる理由なんか、真琴と一緒にお昼食べたいだけだし」



やれすれ違っただ、やれ挨拶をしただ、してもらっただ、あれからまんまと恋する乙女になりやがった親友。


いつも隣を歩く私だけが分かっていることだが、あの上鷹とやらは落ちるまで時間の問題。


ってか、すでに落ちかかってる。

真琴の屈託ない可愛さに。



「あ、そういや瀬戸。さっきあんたのポケットから落ちたぞ」



「ほらよ」と、左手だけ背後に伸ばしてくるうっちー。

その1枚のプリントに気づいた私はパシッと、ものの3秒くらいで受け取った。