「ねえ真琴。いまの私って男っぽい…?」
「えっ?もちろんボーイッシュで格好いいですがっ、りっちゃんはかわいい女の子です!!」
「……そ」
でもさ、きみは男が好きなんでしょ。
恋をする相手は異性なんでしょ。
スポーツ刈りで、THE部活一筋みたいな暑苦しいやつで。
確かに安心感はあるだろーね。
守ってもらえる、甘えさせてくれる、女の子の特権は味わえるさ絶対。
「………ちくしょう」
迷走してる、ほんと。
自分がどこに向かってるのか分かんないし、こんなの時間の無駄だってことにもそろそろ気づいたほうがいい。
「ふんふんふ~ん!今日も上鷹先輩とお話できるかなあ~」
「…………」
「ねえねえりっちゃんっ、わたしもイメチェンしてみたほうがいいかな!」
「……いーじゃん。そのままで」
「はいっ!」
この時間、ずっと。
藍さんの顔がどうしたって見られなかった。



