「……あいつが…、真琴の…」
男だ。
説明するなら、男よりも男。
そこにキラキラしているアイドル的な男がいても嫌だったし、あーいうタイプもあーいうタイプで最悪だ。
いい奴そうだから、サイアク。
もし真琴と付き合ったなら、こいつなら信頼できそうだと思ってしまったことも。
「律ちゃん、行こう」
行こうって、あんたが勝手についてきただけだろ。
主導権はどう考えても握ってんのは私だよ。
引かれた手を振りほどく気力もなく、私は家に戻った。
「───わっ!えええっ!どーしたのりっちゃん!!」
「………デトックス」
「デトックス!!…って、なんだい??」
迎えた翌朝は。
いつもの時間に変わらず顔を合わせた私を見て、彼女は十分すぎるほどの大きな目をもっと開かせる。



