「男が好きなの?」
「へっ?男っていうか…、上鷹先輩が……好き、っす…」
「っ、そーじゃなくて!だからっ、男が好きなのかって聞いてんだよ!!」
ガシッ───!!
たぶんもう、焦りまくってるんだ私。
このまま真琴が誰かのものになるとか、そうなると初めての恋人で、今後は私優先じゃなくなるんだろうな、とか。
だって好きになったらもう、付き合うじゃん。
男と女なんだし、たとえその上鷹先輩がまだ真琴のこと好きじゃなかったとしても、そんなのただの時間の問題でしかない。
「うううっ、こわっ、ひっ、ご、ごめんなさいぃぃ……っ」
泣かせたのは、はじめて。
自分がどれだけ感情的になって暴走したのかを理解したとき、すでに真琴は私に対して怯えていた。
「どうしてそんなに…、わたし、そんなにダメなこと言ったぁ……?」
「っ!…ごめ、ん、ちがう……ちがくて、」
ちがう?
なんにも違くないだろ。
腹が立ったんだ、ムカついたんだ。
ひとの気も知らないで好きなひとができた、なんて純粋に言ってきた真琴にイラついたんだよ。



