学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





「体調、回復したみたいで良かった」


「…べつに回復はしてないですけど」


「いーんだよ、それで」


「えっ、ええ!?まさかまさかっ、お兄ちゃんとりっちゃんって……!!」



キョロキョロ激しく交互に見つめてくる真琴は、言いたいことが顔に書いてある。

隠し事とかぜったいできないタイプだし、空気を読むときは口ごと塞がないとダメ。



「真琴、ちがうから」


「そのまさかだよ」


「…………」



おなじタイミング、聞こえてから眉が寄る。


テキトーなこと言うのやめろ。

信じやすい妹の性格を分かってる兄貴だからって、爽やかに放ってんなよ。


だいたい私以外にもいるじゃないですか。
女には困ってないはずでしょ。


よりによって私って……、藍さん自ら地雷を踏みに行ってるようなものだ。