「体調、回復したみたいで良かった」
「…べつに回復はしてないですけど」
「いーんだよ、それで」
「えっ、ええ!?まさかまさかっ、お兄ちゃんとりっちゃんって……!!」
キョロキョロ激しく交互に見つめてくる真琴は、言いたいことが顔に書いてある。
隠し事とかぜったいできないタイプだし、空気を読むときは口ごと塞がないとダメ。
「真琴、ちがうから」
「そのまさかだよ」
「…………」
おなじタイミング、聞こえてから眉が寄る。
テキトーなこと言うのやめろ。
信じやすい妹の性格を分かってる兄貴だからって、爽やかに放ってんなよ。
だいたい私以外にもいるじゃないですか。
女には困ってないはずでしょ。
よりによって私って……、藍さん自ら地雷を踏みに行ってるようなものだ。



