学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





ずっと考えて、いろいろ調べて、自分をなんとか正当化させて受け入れようとしたその2日間は。

知識が増えただけでなにひとつ解決しなかったけど、なぜか心はいい意味で諦めてもいる。



「っていうか!どーしてお兄ちゃんまでいるのさっ」


「俺も律ちゃんの顔が見たくて」


「……りっちゃんはわたしのだよっ!?」



ムッと子供っぽく頬を膨らませて、全身を私のうでにくっ付けてくる真琴。

少女マンガで「無自覚」ってよく言うけど、やっと意味が分かった。


無自覚ってほんと、タチ悪いな。


本人はそんなつもりで言ってるわけじゃないってのが、こっちからすると大打撃でしかない。



「おはよ、律ちゃん」


「……はよっす」


「うん。はよっす」



正直、真琴よりも会いたくない人間はこの男だった。


どういうつもりだ。
なに企んでんの。

とはもう、言うつもりもない。


だからさっさと私なんか諦めて、それ相当の女の子を見つければいい。