「まさかライバルが実の妹だとは思わなくて驚いてはいるってくらい。…はい、手」
出して、と言わんばかりに差し出して見つめてくる。
ここまでさらけ出したなら遠慮なんか必要ないような気もして、言われたとおり興味本位に手を出してみれば。
「ドキドキはまだしなくても……安心はする?」
「……まあ」
「ならよし」
こんな手の大きさ、ちがうんだな…。
普通、そんな顔する場面じゃないんですよ。
もっと軽蔑的に私を見るべきなんですよあなたは。
なに、私が真琴を見るような目で私のこと見てんの。
「俺は律ちゃんが律ちゃんらしく笑って生きられるなら、選ばれなかったとしても…たぶん後悔はないから」
いろいろ間違いすぎてんの、ほんとうに。



