「だからお母さんっ、だれにも会いたくないって言って───」
「俺です、律ちゃん」
「っ…!!」
「…開けてくれる?飲み物すらろくに飲んでないって聞いたからさ。無理やりにも飲ませようと思って」
そんな強引なひとじゃないでしょ。
あなたが私の家に来ることはたぶん、初めてだ。
たとえあなたにとって私が妹の親友だとしても、妹が介入しなければ関わる理由がない間柄。
ってのに私の部屋のドアの前、藍さんは立っている。
「……帰れ。具合、わるいんで」
幻滅されたならいっそう、嫌われるまで嫌われてやろう。
もう上がることはないだろうから堕ちるとこまで堕ちて最低人間になってやる。
「少しでいいから話したい。…律ちゃんに伝えたいことがあるんだよ」
「……また今度。わかるでしょ、まともに話せる状態じゃないって」
まともじゃないんだよ。
私は、まともな人間ではありません。
話すことなんか何もないし、そうですあんたが見たとおりだよ。
そのとおりですよ、もちろんこちらは否定なんかしませんから。



