「ばか…っ、バカ!!ふざけんな…っ!!最悪…っ、なんで……っ」
あんなリスクだらけのこと、バカだ。
欲に抗えなかった。
ここしかないって、それだけ。
「しねよ…っ、いなくなれよっ、ッ…、全員……!!!」
いいですか、瀬戸 律さん。
落ち着いて聞いてくださいね、瀬戸 律さん。
お友達にキスをしてはいけないんです。
あなたのような気持ちを持った方はとくに、同性とキスを交わしてはなりません。
あなたに誰よりも信頼を置いている真琴さんにとって、あなたが犯そうとした罪にもし名前を言い渡すとするならば。
それはれっきとした、裏切り罪。
わかりましたか。
これが常識です、普通です、一般論です。
あなたの気持ちは───的外れでおかしいんですよ。
『結局さ、何事も枠にうまく嵌めようと思うほど嵌まってくれないもんだよなって……俺は思うから』
そう言って私に視線を移した藍さんは、完全に私が真琴にしようとしたことを見ていた顔だった───。



