「わたしね…?えーでぃー、えいちでぃー、なんだって」
「……ADHD?」
「そうっ、それそれ」
だからなに?
本人は不注意症状があるとかなんとか、今もほざいてるけど。
うっかりミスをすることなんて、きっと教科書に載ってるような人間すら経験していることだ。
「今日もね、ぜったい持っていきなさいって言われてテーブルに置いてあったハンカチ……見事に忘れちゃった!」
「そんなの誰にだってあるよ」
「ギリギリまでわたしも言ってたんだよ?それに…家のカギ、かけ忘れてお兄ちゃんに怒られることいっぱい!」
「…藍さんが鬼なだけじゃん」
「あははーっ」
だからわたしなんか諦めろ、とでも言われた気分だ。
わたしはこんな奴だから好きになるな、とでも。
こんなふうに勝手に解釈して動揺してる私のほうがどう見たっておかしいでしょ真琴。



