「まあ軽いねんざだけど、数日は安静にするよーに」
「はい!ありがとござました!」
「和泉妹は生徒イチ返事がよくて好きだぞ」
ひねった左足は湿布を当ててテープで固定。
その上からまた氷袋を当てるなどして、とりあえずの応急措置が下された。
大人しくベッドに寝かせて布団までしっかりとかけてやれば、真琴は不思議そうな顔を向けてくる。
「りっちゃん、わたし眠くないよ?」
「貧血ぎみだから横になってたほうがいーの。私もここにいるし、安心して」
「…ほんっと愛されてるねえ和泉妹は」
そんな私を見て笑った保険医の言葉だけは、なぜか嫌味なくすんなりと胸に落ちてきた。
保健室をあまり利用したことがないからか、子供のような顔をして布団から目だけを覗かせる真琴。
ベッド脇の椅子に座って微笑みかける私はたぶん、過去最高にキモい顔してんだろーけど。



