「わかったから泣かんでいいって。血とかは出てないから死はまぬがれたぞ」
「足もね、あしっ」
「あし?」
「たぶんひねったぁぁぁいたいぃぃ…っ」
隠されて我慢されるより素直に言ってくれるだけいい。
隠して強がるパターンのほうがこちらも心配になるし、今みたいに大泣きだと私にも口実ができる。
「ほんっとうにごめんね真琴ちゃん…!わざとじゃなくて狙ってもなかったんだけど…ボール、痛かったよね…?」
さすがにバレー部にやられたら、そりゃ痛いか。
最強アタッカーって言われてる子だし、真琴もよく前線で戦ったよえらい。
「ううん!わたしが下手っぴだったから!」
「そんなことないよ!顔面で受け止めるなんてすごいよ!!」
「ほんとっ?うへへ」
…………なに照れてんだバカ。
ただ、真琴のこーいうところが女子たちを敵にしない。
そして見ているだけで私はいとおしくなる。



